JPEGの裏側

- 著者
- ゆずねり
- イラスト
- 参号
- デザイン
- mariko
- 発売日
- 判型
- A5
- ページ数
- 64ページ
基本情報
JPEGの品質は「85が良い」と耳にしたことはありませんか? そもそも、JPEGの「品質」という数値が何を意味しているのか、深く考えたことはあるでしょうか。
JPEGは1992年に誕生し、30年以上経った今でも、写真やウェブ画像など、私たちの身の回りで広く使われている画像フォーマットです。 しかし、JPEGの圧縮の仕組みや「品質」の意味について、詳しく知っている人は多くありません。 JPEGは、人間の視覚の特性や画像の持つ特徴、そして情報を効率よく表現するための符号化技術をうまい具合に組み合わせて、データを削減します。 その裏側には、長年にわたる研究と工夫が詰まっていて、とてもおもしろいものになっています。
本書では、なるべく予備知識がなくても理解できるように、JPEGの仕組みを解説します。
普段何気なく使っているJPEG画像。その舞台裏を一緒にのぞいてみましょう。 きっと、これまでとは違った視点で画像を見ることができるようになるはずです。
目次
- 第1章 色を視るしくみ
- 光の正体
- 光を色と認識するまで
- 桿体細胞の役割
- 錐体細胞の役割
- 色の正体
- 光を視る場合
- 物体を視る場合
- カメラのしくみ
- 標本化
- 量子化
- イメージセンサー
- 第2章 JPEGファイルフォーマット
- JPEGの誕生
- JPEGの規格
- JPEGコア規格(ISO/IEC 10918-1)
- JPEG File Interchange Format(ISO/IEC 10918-5)
- Exchangeable Image File Format
- JPEGのデータ構造
- Start Of Image
- Application segment
- Define Quantization Table
- Define Huffman Table
- Start Of Frame
- Start Of Scan
- End Of Image
- 第3章 JPEGの圧縮アルゴリズム
- 画像圧縮の考え方
- 色の変化を省略
- 細かい情報を省略
- データを圧縮
- 圧縮処理の流れ
- 色空間変換
- 色空間の視覚的効果
- ダウンサンプリング
- クロマサブサンプリング方式
- 視覚的影響
- ブロック分割
- レベルシフト
- 離散コサイン変換
- 画像の周波数表現
- 2次元DCT
- 逆DCT
- 量子化
- 量子化テーブル
- デコーダーの品質
- ブロックノイズ
- モスキートノイズ
- エントロピー符号化
- DC 成分の符号化
- AC 成分の符号化
- 全体の計算過程
- 符号化過程
- 復号化過程
- 画像圧縮の考え方
- 付録A JPEG以外のフォーマット
- JPEG 2000
- JPEG XR
- JPEG XT
- JPEG XL
- JPEG XS
- TIFF(Tagged Image File Format)
- GIF(Graphics Interchange Format)
- PNG(Portable Network Graphics)
- BMP(Microsoft Windows Bitmap Image)
- WebP
- RAW
- SVG(Scalable Vector Graphics)
- 付録B 色空間
- sRGB
- Adobe RGB
- Display P3
- CMYK
- HSV / HSB
- HSL
- YCbCr
- 付録C 画質評価
- 平均二乗誤差
- ピーク信号対雑音比
P24 図3.6 各クロマサブサンプリング方式の拡大比較

正誤表
本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正してお詫び申し上げます。
- 初版 P22
- 4:2:2セクション
- (誤)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約3割に削減できます。
- (正)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約50%に削減できます。
- 4:2:2セクション
- 初版 P23
- 4:2:0セクション
- (誤)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約半分に削減できます。
- (正)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約25%に削減できます。
- 4:1:1セクション
- (誤)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約半分に削減できます。
- (正)4:4:4と比較して、色差成分のデータ量を約25%に削減できます。
- 4:2:0セクション