大吉祥寺.pm 2026 でJPEGの話をしてきました

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7月25日に開催された 大吉祥寺.pm人間の目はかわらない、だからJPEGは30年もつというタイトルで登壇してきました。

採択~スライド作成

そもそも通ると思っていなかったので、JPEGの話がテーマに沿っていてよさそうかなー、ぐらいのノリでプロポーザルを提出していました。

ところが実際に通ってしまい、採択後は最後のまとめをどうしようか連日悩んでいました。 また、そもそも15分じゃどうやっても足りないなー、というのもあり当初の予定から結構バッサリカットしていたりもします。

結果的には良い落とし所になったんじゃないかなと思います。

前夜祭

前夜祭の日は、予定を見ずに入れてしまっていた 050-5893-5336展にうっかり行っていました。 なので、ビブリオLTから途中参加しています。

ぼー、と聞いていたら フクイ氏が拙著 MPEGの魔法 映像と音声圧縮の完全ガイドを紹介し始めてビックリする(何も聞いていません)。

しかし、よくよく聞くと、どこまで読めるかでエンジニア力がわかる、などと斜め上の紹介をされる。 しかも、紹介理由が 一番上にあったからだそうで。えー?

当日

電車でスライドの微調整をしつつ、遅れることもなく到着。

出番はまだ先ですが、200人近い参加者を前に緊張しつつ、他の方の発表を聞いていました。

AI時代に、なぜエンジニアはまだ集まるのか

自分の興味のある分野の情報ばかりが入ってくるので、カンファレンスや勉強会に行くと普段の生活では知り得なかったことが入ってくるのが面白いです。 私のJPEGの話も、大吉祥寺に来なければ知らなかったことが多いと思います。

分割統治できない世界の歩き方

分割統治できない世界の歩き方

時間的に大部分がスキップされていたので、ちゃんと聞いてみたいなと思いました。

で、自分の番

いざ始まってみると、意外と緊張せずにしゃべれました。 まぁ、プロジェクターの光量が強すぎて会場があんまり見えなかったのはある。

あんまり使わないクリッカーの操作方法にあたふたしつつも、時間内に何とか終わりました。

感想を見るに、満足いただけたようでなによりです。

ピックアップ感想コーナー

↓なぜか異様にバズっているツイート。

登壇後

ランチマッチでは、まさかの全員なんらかの形で面識のあるグループになり、ピザを食べていました。 ランチ後は、スポンサーブースやアンカンファレンスでしばらくまったりおしゃべりしつつ、発表を聞いていました。

後日談

二日後の月曜日、はてブを見たら何故かバズってました。

最終的に600ブックマークまでのびた

バズったことによりいろいろコメントを見かけたので、ここにいくつかレスをしておきます。

回線、ストレージに余裕がある令和にサイズを削る意味はあるか

確かに日本国内においては、10Gbps接続も出てきて速くなってきています。そもそも日本は、固定回線では比較的恵まれた国でもあります。 しかし、スマートフォンの普及により今やWebの約半分はスマートフォンからのアクセス、つまりモバイル回線になります。

ここで、 Opensignalのモバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートを見てみると、MNO大手3社で概ね60Mbps前後となります。

また、 MVNOであるイオンモバイルの公表値だと、空いている時間帯で40Mbps前後、昼休みには1Mbpsを下回ります。

実際にページを開く場所は、地下鉄の中だったり、昼休みの混雑した基地局の下だったり、上限に達して低速モードに切り替わったあとだったりと、測定結果よりもさらに遅いこともあります。 ページを開くのに時間がかかると、ユーザーは離脱してしまいます。ページの表示速度は、ユーザー体験に直結します。

さらに、ファーストビューの大きな画像は、多くの場合そのままLCPの計測対象になります。 Core Web Vitalsが検索順位の要素に組み込まれている以上、最初に表示される画像を数十KB削ることには、体感速度とは別の意味があります。

近年ではモバイル向けでもリッチなWebサイトが増えており、画像も多く使われます。 モバイル回線には速度とは別に月間の通信量の上限もあり、こちらは回線が速くなっても緩和されません。

このことから、Webの世界ではサイズを小さくする需要は依然としてあります。

WebPがカメラで使われないのはなぜか

WebPはGoogleが開発したフォーマットで、JPEGよりも軽いとされています。 自分で計測した結果でも、概ねそのような傾向が観測できています。

最大品質のサイズ比較

Chromeは2011年にWebPへ対応しました。WebPの実力がわかってくると、Chromeの利用者が多かったこともあり、徐々にWebサイトで使われるようになります。 その結果、他のブラウザも対応し始めます。Firefoxが2019年、Safariが2020年に対応して、Webの世界ではようやく実用的な選択肢になりました。

では、何故カメラで採用されないのか。

一つは品質です。WebPはとにかくファイルサイズを減らすため、色の再現性や品質をかなり犠牲にしています。

最大品質の到達品質比較

また、JPEGのエンコーダはカメラの画像処理エンジンに載っていますが、VP8をベースにしたWebPを同じ速度で吐ける回路はありません。 撮影したファイルの保存もプリントの入稿も、DCFやExifといったJPEGを前提にした規格の上に組まれています。

実際、カメラ業界が「JPEGの次」として採用したのはWebPではなくHEIFでした。 HEIFはメタデータの持ち方まで規格として決まっていて、中身のHEVCは動画の記録用にカメラがすでに積んでいるコーデックです。 カメラが必要としていたのは新しい圧縮方式そのものではなく、撮影から現像までの既存の流れにそのまま置ける規格だった、ということになります。

このことから、WebPは文字通りWebに特化した形式であり、カメラの世界ではJPEGがまだまだ現役、というわけです。

さいごに

実行委員長のMagnoliaさんをはじめ、スタッフ、スポンサー、きいてくださった参加者の皆様、ありがとうございました!

今回チラッと出てきたWebPについては、 PHPカンファレンス新潟2026imagewebp()の向こう側―WebPはなぜ JPEG・PNGより軽いのか と題して続きを発表するのでお楽しみにー!